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ROTOR POWER LT

ROTOR POWER LT TEST REPORT
軽く、使い勝手がよく、安心して使える
抜群のコストパフォーマンスを誇るパワーメーター

浅野 真則(自転車ライター)

LTとはLight(=軽量)という意味

ROTOR POWER LT

クランクベースのパワーメーター・ROTOR POWERに、左クランクだけにセンサーを搭載したROTOR POWER LT(以下LT)が新たに登場しました。

LTとは「Light」のことで、「重量が軽い」という意味です。 左右のクランクにパワーセンサーが付いているROTOR POWERと比べ、LTではセンサーが左クランクにだけ付いているので、さらなる軽量化が図られています。

僕は現在、ROTOR POWERを愛用しています。
その僕でもLTの存在はとても気になります。

果たしてLTはROTOR POWERや他社のパワーメーターと何が違うのか? 徹底的に分析してみましょう。


クランクセット単体で12万円台。パワーメーターの価格破壊

ROTOR POWER LT

LTの最大の特徴は、ひずみゲージを採用した非常に正確(測定精度+-2%)なパワーメーターでありながら、非常に価格が抑えられていることでしょう。
クランクセット単体で13万4400円(税別)という価格を実現しています。 すでにQ-RINGSをお使いの方なら、チェーンリングを載せ替え、クランクをポン付けするだけですぐに使い始めることができます。

真円チェーンリングNoQ付きでも販売しており、こちらは14万6000円(税別)。他社製クランクをお使いの方で、真円ギア派の方はこちらもオススメです。
PCDは110mmのコンパクトドライブ仕様と130mmのスタンダード仕様が用意されますが、個人的には110mmPCDを選ばれることをオススメします。
というのは、ROTORはPCD110mmの53Tアウターリングなどスタンダード相当の歯数のQ-RINGSも販売しているため、PCD110mm仕様を選んでおけば、上りの多いコースやヒルクライムではコンパクトドライブの恩恵を受け、平坦基調のコースではスタンダード相当の歯数のギアを使う--ということも可能だからです。

パワーメーターといえば、これまではバイクに取り付けて使える状態にするのに20万円近くするのが当たり前でした。 これは、パワーメーターの価格破壊と言っても過言ではないでしょう。 価格ではROTOR POWERとの棲み分けを実現しています。


機能を省いたのではなく、シンプルにして使いやすくなった

ROTOR POWER LT

機能面でも、ROTOR POWERとの差別化が図られています。
最大の違いは、ペダリングの左右バランスの機能を省略したこと。
センサーが左クランクにしか付いていないので、出力表示は左脚側の実測値と左脚側の仮装値を合算した数値になりますが、ROTOR POWERの数値と比較しても遜色ないデータが得られました。 もちろん、数値の変動の仕方もROTOR POWERと何ら変わりません。 そういう意味では、「ライダーの出力をリアルタイムで知る」というパワーメーターとしての最低限の機能は果たしているわけです。
ちなみに、パワーセンサー内蔵の左クランクは、LTの専用品。 ROTOR POWERの左クランク単体を取り付けているわけではありません。

このほか、Q-RINGSの楕円の位相を1/2段階で調整できるMAS(マイクロ・アジャスト・スパイダー)ではなく、通常のスパイダーとなっていることもROTOR POWERとの違いです。 MASを搭載するROTOR POWERはQ-RINGSの位相を10段階に調整できますが、LTは5段階とよりシンプルになっており、Q-RINGS初心者もセッティングに頭を悩ませることなく使えることでしょう。

個人的には、LTはROTOR POWERの優れた機能の中から特に重要度の高い機能を厳選することで、よりシンプルで使いやすくすることに成功していると思います。 ですから、特にパワーメーターを初めて使うような方を含め、より多くの方にとってLTの方が身近で使いやすいのではないかと思います。 もちろん、より高度な解析をしたいという方にとって、ROTOR POWERが魅力的なパワーメーターであるという事実は揺るぎのないものです。

ネガティブパワーが測れるという、低価格帯のパワーメーター唯一の強み

ROTOR POWER LT

LTは他社の比較的安価なパワーメーターと違い、単にパワーが測れるだけのパワーメーターではありません。

ROTOR POWERと同じパワーセンサーを採用しているため、引き脚側で生じるネガティブパワー(脚の抜重がうまくできずに重りとなることで生じるパワーロス)も計測でき、 ペダリングスムーズネスやペダリング効率も計測できるのです。
ペダリングスムーズネスやペダリング効率は、専用ソフトウェア「ROTOR POWER SOFTWARE」を使うことでPCに表示できますが、GARMIN EDGE 510/810/1000シリーズの最新ファームウェアを入れることで、実走時にも表示できるようになりました。

この機能は他社のこの価格帯のパワーメーターにはない、LT唯一の機能です。 ネガティブパワーが分かるということは、ペダリングスキルの改善に役立ちます。 引き脚側で脚の抜重をする感覚を練習すれば、パワーロスの少ないペダリングを実現するのに役立つでしょう。

個人的には、屋内のローラー台でのトレーニングでROTOR POWERソフトウェアを活用しながら片脚ペダリングの練習をし、ペダリングスムーズネスやペダリング効率を高めることで、ペダリングスキルの改善に努めています。
こういった使い方ができるのも、ROTOR POWERやLTの魅力。 LTは12万円台でペダリングスキル改善のためのトレーニング環境が整うと考えると、抜群のコストパフォーマンスを誇ると言えそうです。

取り付けに制約が少なく、走行フィールも損ないにくい

ROTOR POWER LT

LTはROTOR POWER同様、クランクベースのパワーメーターです。
クランクベースのパワーメーターは、バイクの前後の重心に近い位置に装着でき、かつ低い位置に装着できるので、低重心化も図れます。
つまり、重量バランスが非常によくなり、走行フィールを損ないにくいというメリットがあるのです。

ハブに組み込むタイプのパワーメーターも、最近はずいぶん軽量にはなりましたが、やはり後輪の重量増は避けられず、上りで若干後ろに引っ張られるような感覚があります。 また、レースと練習でホイールを使い分けるには2台のパワーメーターを併用する必要もあります。 その点クランクベースのパワーメーターはそのようなことがありません。
最近の軽量カーボンフレームに決戦用のカーボンホイールを履かせると、バイクの腰高感が際立って非常に不安定になりがちですが、ROTOR POWERやLTを入れることでかえって操縦安定性が増すことも考えられます。
しかもLTなら重量増もごくわずか。
重量が気になるレースやヒルクライムでもどんどん使いたくなります。 レース中のパワーデータを取れるというのは、パワートレーニングを進める上で非常に有意義なことです。 さすが、世界選手権チャンピオンのルイ・コスタらの「より軽いパワーメーターを」とのリクエストに応えて作られたと言われるだけはあります。
ROTOR POWERでもパワーメーターとしては十分重量が軽いのですが、LTは重量が軽いというのは、ROTOR POWERユーザーの僕から見ても魅力に感じます。


ROTOR POWER LT ROTOR POWER LT

また、LTではセンサーがクランクシャフトの近くにあるため、転倒してもダメージを受けにくいのも特徴です。 クランクシャフトという回転軸に近いところにセンサーなどの重量物があるため、他の方式に比べて重さをほとんど感じないというのも大きなメリットです。

最近登場したペダルベースのパワーメーターは、落車時にダメージを受けやすいというデメリットがあります。 しかも、走行中に何千回も回すペダルの重量増も避けられず、その分余計な"仕事"をしていることになります(クランクの長さが170mmとすると、クランクを1回転させる間に左右の脚で通常より100gほど重いペダルを340mmも持ち上げては下ろしていることになるのです!)。

取り付けに関しても、フレームとのクリアランスも確保しやすいため、取り付けに制約がほとんどないこと、別売りのアダプターを使えばBB90以外のすべてのBB規格に対応できることもユーザーにとっては大きなメリットと言えるでしょう。

ROTORは自社のクランクでパワーメーターを作る唯一のブランド

ROTOR POWER LT

ROTOR POWERやLTのベースとなっているクランクは、ROTOR 3D+。 つまり、自社のクランクでパワーメーターを作っていることになります。 他のクランクベース型のパワーメーターは、すべて他社のクランクで作られています。 つまり、ROTORは自社製クランクでパワーメーターを作る唯一のブランドなのです。

ROTOR3D+は、30mmアクスルのアルミシャフトを搭載し、軽量かつ優れた剛性を実現。 アルミクランクにはTRINITY DRILLING SYSTEMと呼ばれる3本の縦穴を開ける加工を施すことで、強度を確保しながらも軽量化も両立しています。
ROTOR POWERやLTは、このTRINITY DRILLING SYSTEMによって開けられたアルミクランクの穴の中にひずみゲージを内蔵しており、スペースを有効活用した実にムダのない作りになっています。

ムダのない設計や美しいデザインも、ROTORが自社で造ったクランクを使ってパワーメーターを開発したメリットと言えるでしょう。


価格、使い勝手の良さなど、あらゆる要素を高次元で融合

LTは優れた機能を厳選しつつ、手に届きやすい価格を実現しています。 また、電池交換が自分で簡単にできるなど、トレーニング機材として毎日使うサイクリストにはうれしい使い勝手の良さも備えています。
さらに、国内世紀販売店で購入した場合は、2年間の保証も付いています。

価格や使い勝手の良さ、安心して使えることなどを総合的に考えると、LTは抜群にコストパフォーマンスに優れたパワーメーターと言えるでしょう。


PRICE ¥134,400+tax クランク単体
¥153,300+tax no-Q チェーンリングSET [110PCDのみ]
PCD 110PCD COMPACT / 130 PCD STANDARD
CRANK SIZE 170mm / 172.5mm / 175mm
CHAINRING SIZE [110PCD]52T X 36T no-Q
AXLE 30mm アルミニウムアクスル
WEIGHT 535g 110PCD / 170mm

ASANO

浅野 真則

自転車ライター。実業団登録選手として活動中。ROTOR POWERクランクをQXLと組み合わせて使用中。2014シーズンは、実業団3DAY'S ROAD熊野新宮ステージE2で優勝、伊吹山ヒルクライムE2で4位など、ホビーレースを含め2勝し、2回の入賞も果たした。



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